奄美大島出身の友人Aさんから、ベビーハムという魚肉を使ったフィッシュハムを頂きました。新潟出身の僕にとっては初めて見る代物だったので、てっきり地元の老舗企業による特産品だと思ったのですが、なんとあのマルハニチロの製品だったので驚きました。そして味にも驚き。僕が知る同様の製品に魚肉ソーセージがあるわけですが、それとは全く異なるものでした。
奄美大島ではソウルフードだったらしい
友人Aさん曰く、子供の頃、ベビーハムはお弁当のレギュラーメンバーであり、今でもソウルフード的存在なのだそうです。食べ方は5~10mmくらいに切って軽く焼き、マヨネーズを付けるというシンプルなもの。なんだか酒のつまみのようです。
一方、新潟出身の僕にとっての魚肉ソーセージは、丸善のホモソーセージが絶対的存在として君臨しています。ホモソーセージは焼かずにそのまま食べていたので、魚肉ソーセージを焼くという行為に当初は多少の違和感を覚えました。
ベビーハムの全貌が明らかに
そんなベビーハムを食べてみようと袋を開けると、中には見慣れたオレンジ色のビニールに包まれた物体が入っていました。しかしこのビニールを開封するやいなや、見慣れない全貌が明らかとなりました。
まず第一に思ったのは、なんとなくモサモサしていて脆いということ。ホモソーセージに見られる弾力がベビーハムにはありません。次に思ったのは、独特な香り。原材料名を確認した結果、原因は恐らく豚肉とマトンだと思われますが、ケモノ的な香りが感じられました。この時点で、友人が「ベビーハムは焼いて食べた方がいい」と教えてくれた意味が分かった気がしました。
ベビーハムは焼くべき!
次々に意表を突いてくるベビーハムに戸惑いながらも、教わったとおり輪切りにしてフライパンで油をひかずに焼いてみました。すると火が入るにつれ、野性味あふれる香りは食欲をそそる香りに変化し、見た目にも美味しそう感がアップ。これは期待できます(失礼ながら、正直ここで初めてそう思った)。
マヨネーズはつけるべき!
マヨネーズをつけて食べてみると、いい意味で肉感あふれる風味が感じられ、これまた失礼ながら期待を超える美味しさでした。好みの問題はあるでしょうけど、マヨネーズはつけるべき!とあえて言っておきます。
つなぎの魚肉の他にサイコロ状のマグロが入っているためか、後味にツナの風味も感じました。お弁当のおかずはもちろん、やはり酒のつまみにもいいと思います。
ちなみに、丸善のウェブサイトによれば、ホモソーセージのホモはhomogenize(均質化する)に由来するのだそうです。あえてこのことに基づくとすれば、マルハニチロのベビーハムは不均質(heterogenize)なので、ヘテロハムとかヘテロフィッシュハムとも呼べるかもしれません。まあ、実際は呼ばれてないでしょうけど、ヘテロハムってなんとなくカッコいい響きです。
ベビーハムは魚肉ソーセージと似て非なるものだった
ベビーハムに魚肉が使われているという理由だけで、ここまでベビーハムと魚肉ソーセージを比較して書いてきましたが、実はお門違いだったことに気づきました。なぜベビーソーセージではなく、ベビーハムなのか。それは、ベビーハムのコンセプトがソーセージではなく、ハムだからでしょう。
これから初めてベビーハムに対面する人には、まず「魚肉ソーセージとは違うんだ」と強く認識した上で、むしろハムやスパムをイメージしながら挑んでほしいとアドバイスしたいです。そうすることで、初対面でもすんなり受け入れられると思います。マルハニチロのベビーハム。美味しいので見かけたらトライしてみてください。