ポタリング つげ義春「鳥師」の水門を前に胸が高鳴る

つげ義春の名作「鳥師」に登場する水門のモデルとなった水門。正式には調布排水樋管といいます。実はこれまでに何度かこの水門の前を通っていましたが、まさかあの鳥師の水門とは思わないので気にすることもなく、写真も撮ったことがありませんでした。改めて見ると非常に印象深い水門で、どことなく胸が高鳴りました。

調布排水樋管

この水門が鳥師の水門だと分かったのは、つげ義春の世界を実際に訪れて巡る某ウェブサイト(惜しくも閉鎖してしまいました)がきっかけでした。まさか鳥師の水門が自宅から自転車で行ける距離にあるとは。知ったときはとても驚きました。

調布排水樋管

作中に出てくる水門は、ポールが3本で柵はありません。恐らく色もこんなに派手ではなかったでしょう。つげ義春が鳥師の構想を練り始めたとされる1960年代半ばから発表に至った1975年頃は、一体どのような姿だったのか。せめて柵が無ければいいなと思います。

調布排水樋管

以下、Wikipediaから引用。このシーンは本当に凄まじい迫力が感じられ圧倒されます。但し、当たり前ですがこのシーンだけ見ても全く無意味で、ここまでの物語があってこそのこのシーンなのです。

ラスト近くのの大割りのコマで、最後まで顔を描かれることのなかった鳥師が水門の上からマントの翼を広げて空へ飛び立ち、鳥屋の親父が「おらも連れていってくれえ」と叫ぶシーンは、まことに圧巻である。

個人的には、この漫画に登場する鳥師が蛇師の技術も兼ね備えているというくだりがとても好きです。「達人の域に達した蛇師の手は、指の第一関節が五本揃って直角に曲がる。この鳥師は、蛇師の手でヘビ山からマムシを追い出し、口笛だけで鳥を寄せてしまう。身なりからして明らかに常人ではない鳥師・・・」

空想上の人物と理解しても、今から約50年前の日本にはこんな奇人が居てもおかしくない気がするから不思議です。つげ義春ワールドにすっかりはまってしまっている証拠かもしれません。

調布排水樋管

鳥師は以下に紹介する本に収録されています。無能の人シリーズの一作ですね。なお、無能の人は竹中直人により映画化され、音楽はゴンチチが担当しました。つげ義春の世界観がうまく表現された映画だと思います。

つげ義春コレクション 近所の景色/無能の人 (ちくま文庫)

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今回の走行時間は1時間10分、走行距離は21kmでした。水門を見る他にもいろいろ寄り道したのでまあまあの距離と時間になりました。なお、Escape Airが納車されてからの総走行距離が310kmとなりました。

調布排水樋管

つげ義春: 夢と旅の世界 (とんぼの本)

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